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ー 2012『ZKB・アクノウレジメント賞』/テアター・スペクタクル
(チューリヒ、スイス)審査員によるコメント
田中奈緒子は、パフォーマンス作品«Die Scheinwerferin»において、特異かつ芸術的な
言語と、独創的な形態を作り出すことに成功した。そこでは、ビジュアル・アート、
インスタレーションとパフォーマンスとが、考え抜かれた文脈の中で出会う。
とりわけ絶賛すべきは、客体の革新的な扱い方、光、音響、イメージと、パフォーマーで
ある作家自身とのインタラクティブな共演などである。田中は、一個人の内的世界と
外的世界を、分析的なやり方で、投影イメージの中に織り込む。彼女は、不在を顕在化
させ、不可視なものを可視化し、現実と夢、イメージとイリュージョンを指し示す。
ドラマツルギーにおいても非常に厳密なこの作品の中に、観客はゆるやかにいざなわれ、
はじけるような発見の瞬間を共有することができる。
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